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高越神社の大スギ
高越神社附近には、スギの大木がたくさんあるが、その中に神社の石段の下に数百年を経たと思われる大スギがある。目の高さで、直径が3メートル、高さが30メートルばかりであるが、平地からも高越の頂上附近にそびえるその姿を見ることができる。この附近にこのような大木を含む原始林が残ったのは、藩政時代に高越寺領として保護されたらしく、文化3年(1806)の御検地帳にその記録がある。古来大森林は雨を呼び農業に利益をもたらすものであるとして、みだりに伐採しないように土地の人々から大切にされたものと思われる。大スギについて次のような伝説が伝えられているので紹介しておこう。
今から300年前、板野郡のある修験者が高越山に登り修行を続けていたが、その後、姿が見えなくなった。この行者が家を出る時「自分は高越大権現のお召で山に入るが、難行苦行を積んで、りっばにお仕えするから再び家には帰れない。もし、わしに会いたくなれば頂上の大スギの所に立って呼んでもらいたい。スギが生きている間は自分の命があるものと思え」と言い聞かせたとのことである。
それから250年もの後、明治40年(1907)頃に、どこから来たのか、無縁といってきたない風体はしているが、犯し難い顔の老人が香川県三木町に住みついた。いつのまにか近くの子どもや若者どもがなついて、しだいに老人のもとに集まるようになった。老人は集まった若者たちにいろいろ教えを説いて導いたので、ますますその数を増し、人々の尊敬を高めるようになった。ところがある日「今夜は客があるから決して来てはならない」と厳しく申し渡された。若者たちは不思議に思ってそっに行った。驚いたことには、老人は天狗たちを集めて酒盛りをしていた。若者たちは腰を抜かさんばかりに逃げ帰ったが、その翌朝からは老人の姿は全く見られなかった。そして、ただ高越大権現のお札と大スギの絵をかいた1枚の板片が置き捨ててあったという。
香川県には、高越大権現の信者が多いということである。このスギを別名天狗スギともいう。