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川田耕地整理「藍」
大正3年(1914)3月5日に、川田耕地整理組合が設立された。
当時の阿波の特産物である「藍」は時代の流れに押されて、すでに衰えはじめたので、耕地を整理して、水田を作ろうとの計画が立てられ、同年の7月に水源を吉野川に求めて、60馬力の動力による揚水機を設置した。そして、はじめて同区内に水を通し、しだいに水路の修築、耕地区画の整理を行ない、地価の修正を終わり、96.2ヘクタールにわたる整理を当初の計画通りに完成した。
その後、大正13年(1924)に、吉野川の改修工事によって水位が低下したので、取水口を改造して、水路全線を鉄筋によるコンクリート工事を施したが、この工事は、非常な難工事で、苦心の末にやっと永久的な水路が完成した。
また、大正15年(1926)に、今までの蒸気動力を電動力に改め揚水量も増加した。また昭和6年に河川敷内を延長し630メートルの埋樋(地中にうずめ、水を出し入れするため、戸をあけたり、しめたりする設備)を伏せて取水の完全を期した。そして、土地をうるおし、物を養い
永くこの文化を育てる源としようとの、村人一致協力の心が、実を結び、全区97ヘクタールを潅漑するようになった。
昭和38年(1986)吉野川の洪水被害によって、導水管が使えなくなったので、取水口を岩津淵へ移上し、揚水ばもその南(一里塚3、4番地)に設置し、以後は安定して取水が可能になった。