阿波和紙会館では、いんべの名勝を紹介しています。

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東槇山薬師堂
木造寄棟(よせむね)(屋根が四方に勾配をもつ)、茅葺(かやぶき)で、本市指定有形文化財(建造物)である「谷の四ツ足堂」とならび本市の四ツ足堂の中では最も古い建築様式を残す。間口と奥行はともに約6mである。床は拭板(ぬぐいた)張りで、壁は正面中央の柱間以外に腰板を張っている。現在、屋根は保護のために鉄板で表面を覆っている。内部正面奥の中央部分にある仏間の中には、3枚の引き違い格子戸の中に、妻入(つまいり)(大棟の直角な面である「妻」に入口がある)片入母屋造(かたいりもやづくり)(屋根上部は切妻(きりづま)で下部は寄棟)の厨子(ずし)がある。厨子には彩色がわずかに残る。かつては本尊として本市指定有形文化財(彫刻)の薬師如来(にょらい)像が置かれていたが、現在は保管上の理由から他所に移されている。
 1976(昭和51)年に美郷村連合婦人会が実施した調査では、「正徳六(1716)
年丙申暦」、「延享五(1748)辰天正月吉祥日」「宝暦十二(1762)壬午年閏四月
吉祥日」「寛政九(1797)年」「文化九(1812)壬申四月十七日」、「明治三十三
(1900)年」、「大正六(1917)年六月十九日」の棟札が確認されているという。
吉野川市教育委員会