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麻植・美馬郡境石
麻植郡東西両川田村(現吉野川市山川町)と美馬郡拝(はい)村(現美馬市穴吹町)
は、生活を維持していくために不可欠な柴・萱・草など燃料・飼料・肥料の入手地である入会(いりあい)山をめぐって争いが絶えなかった。その解決策とし て、1634(寛永11)年8月に郡境石を建てた。土上には「美馬郡/麻植郡/境 目/寛永拾壱年/八月吉日」、土中には「自是上ハ/たなほ之こんけん/みまた /くらかけ/をつたい/山ハ如先年/イリアイ」と彫り込まれている。ところ が、その後も争いは続き、1698(元禄11)年には拝村16名、東西両川田村 6名の計22名が疵(きず)をおう事件が発生している。この紛争を解決するため、 1762(宝暦12)年に郡境石を掘り起こすなど徹底した現地確認などを実施し た。翌宝暦13年に東西両川田村が勝訴し、先年のとおりに入会が認められ た。なお、1888(明治21)年に新たな郡境石が建てられた際に古い境石は基礎石として埋めたという。これを1989(平成元)年に地域住民らが掘り出し て新郡境石の西隣に再建し、現在に至っている。