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上桜城跡
吉野川市川島町と美郷の境界となる山塊から北に延びた標高142mの尾
根筋に位置する。北面は吉野川中流域の平野部を見下ろし、四国三郎と称
される吉野川をはさんで対岸には阿讃山脈を望む。東面は吉野川の河口付
近までを俯瞰(ふかん)できる。城跡は、本丸と西の丸という2つの不定形の曲輪か ら成る。本丸は、北面に水運路である吉野川と陸運路である伊予街道を一 度に見渡すことができる眺望である。本丸が築かれた後に西の丸が築かれ たものと考えられている。築城年代は不明であるが、戦国時代には篠原長 房(?~1573)の居城であった。 長房は阿波国の戦国大名であった三好長慶(1522~1564)の弟である実休 (1527~1562)に仕え、実休の死後にも三好家家臣団の中心となって活躍 した。しかし、長房の台頭をおそれてか、守護細川真之と主君三好長治が 1573(あるいは1570)年に上桜城に攻め込み、長房を討った。この戦は上桜 合戦(あるいは川島合戦)と呼ばれ、阿波戦国史のひとつの画期であった。
吉野川市教育委員会