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川田手漉和紙製造用具
山川町川田村で過去に使用されてきた手漉和紙製造用具のコレクション である。もとは旧川田公民館で収集、保存されていたが、現在は吉野川市山川地域総合センターに移し、保存、展示されている。
旧麻植(おえ)郡(現吉野川市の大部分および美馬(みま) 市木屋平)では、旧麻植郡川田 村(現吉野川市山川町)だけでなく、木屋平(こやだいら)、種野、東山、別枝(べっし)、桁山(けたやま)などで製紙業が盛んであった。川田山には紙漉(かみすき)などの製紙にまつわる地名が今も残る。阿波和紙の起源については、古代に当地域で勢力を持っていた豪族である忌部(いんべ)氏と結びつけた伝説もある。高尾家の文書記録によると、蜂須賀入国(1585、天正13年)時にはすでに川田村で製紙が行われていたと考えられている。保存されている用具類は、現在も製紙業を営む富士製紙で使用されていたもののほか、かつて川田村で製紙業を営んでいた家々から 寄贈されたものもある。手漉和紙製造用具は、時代によって材質などに変化があるものの、形状は現代のものとも共通する部分が多い。阿波和紙製造技術の変遷を今に伝える貴重な資料である。
吉野川市教育委員会