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住友家の記録
天正元(1573)年から安永8(1779)年頃まで200余年にわたる西川田村庄屋の記録である。なお、表題「住友家記録」は山川町時代に装丁を仕替  えた際に付けられた名称である。上・中・下の全3冊よりなり、上は縦  25.0cm、横17.0cm、199丁、中は縦24.7cm、横17.0cm、186丁、下は縦  26.0cm、横17.5cm、171丁である。
  内容は、家族の生没・動向、藩主・一門及び給人の動向、村政に関わる
奉行等の任免、触書(ふれがき)、火事、地震、洪水、堤防工事、村内外の事件など  多岐にわたり、当時の村の状況を知ることができる良質な史料である。特  に、宝永4(1707)年頃から触書などの記述が増え、藩政と庄屋の職務との  関連がよく理解できる。
  また、庄屋5代目の治五右衛門正輔は「力士一本」とも言われ、元禄13(1700)年以降、相撲の記事が度々記載されている。さらに、この治五右衛門の両親が元禄7(1694)年に夫婦で四国遍路に出  かけている記事もある。元禄期には、伊勢参りと同様に四国遍路が信仰と  物見遊山を兼ねた旅行の対象となっていたこともうかがえる。
吉野川市教育委員会