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福生寺
宗派 古義真言宗大覚寺派 本尊薬師如来・正観世音菩薩 檀徒約30戸
福生寺は、駅路山智積院ともいわれ、もと麻植郡飯尾村(今の鴨島町飯尾)にあったが慶長3年(1598)蜂須賀家政が、駅路寺を置した時、今の西市久保に移し、建立したものである。
駅路寺というのは、当時の出家(坊さん)や遍路だけでなく、一般の通行人を宿泊させる、宿屋の役目をした寺のことである。
このことからも家政が、一般の人たちの旅に心をつかったことを、よく物語っている。
特に、当時は、山賊や盗人が横行して旅人を困らせたことからその安全と交通の便を考えて作ったものといわれ、本県には、福生寺のはか、8か寺が駅路寺となっている。
このように、当寺の格は高く、本山の直末(本山または、本寺に付属している寺院、配下の寺院)で、村役人も、治外法権で手をつけることができなかったそうである。
修理も、阿波藩から費用が出ていたようである。かつては隆盛をきわめた当寺も、今は廃寺同様の荒れようで、壁は落ち、家は傾むき、倒壌寸前の状態であった。
昭和56年8月に寺有財産の処分と信徒の浄財により1453万円で建坪48.6坪、鉄骨平屋の寺が再建された。
山川町教育委員会
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